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北関東老舗定食屋のススメ!~郷土育ちの古き良き味に会いに行こう~

北関東老舗定食屋のススメ!~郷土育ちの古き良き味に会いに行こう~

 マーケティングリサーチ課のUです。今回は北関東の老舗定食屋さんたちと、その食文化を支える背景含めてお伝えいたします!

北関東は食の宝庫

まず唐突ですが、北関東は食の宝庫でそれぞれ個性的であるということは意外と知られていません。北関東三県(群馬・茨城・栃木)の地形や環境がそれぞれの食の個性を作っていると言っても過言ではないと思います。

三県それぞれ挙げてみても「土浦のレンコン」や「壬生のかんぴょう」、「下仁田のネギ」などメジャーどころは言うまでもなく知られていますが、これ以外にも細かく見ていくと各県の傾向が見えて結構楽しかったりします。

< 群馬県 > 山の地形を活かした農産物

草津温泉の湯畑

 まずは群馬県から行ってみましょう。県の3分の2が山という地理的条件があり、得意分野は山と畑作ジャンル多めです。それのみならず、運動会のチーム分けが「 妙義みょうぎ 」「 榛名はるな 」「 赤城あかぎ 」など県内の山々から名前を取ったり、その山々から吹き降ろす冬場の西風から「からっ風とかかあ天下」なるフレーズも良く知られています。

 その地形をよく活かした農産物が多いことも特徴で、標高の高いエリアでは嬬恋村に代表されるようなキャベツ、同じく山岳の多い西部ではシイタケ栽培が多いといったところに特徴が現れています。

出典:農林水産省『令和5年度 群馬県の農林水産省の概要』3頁

< 栃木県 > 推しはいちご!生乳と乳用牛は全国2位

日光東照宮 陽明門

 真ん中の栃木県に行ってみましょう。栃木県は東北自動車道や東北新幹線が通り、物流の意味では東日本の大動脈を構成する一県です。地形的に見ると「日光を見るまで結構というなかれ」と比喩される日光を擁する日光連山、那須地方から南に連なる八溝(やみぞ)山地が大まかな地形的特徴です。そして、栃木県はこの二つの山脈が北側に八の字のようになっている地形であり、それより南はいわばこの二つの谷間から流れる谷のような地形となっており、関東平野を谷底とするような地形になっているともいえます。

 そして、ここ最近の栃木県と食の話題ではいちごも外せません。もとより有名な「とちおとめ」はもちろん、高級路線に舵を切った「スカイベリー」、そしてとちおとめの後継品種である「とちあいか」も現在注目されています。しかし、栃木県の驚くべきところは「いちごの街」を前面に打ち出している市が鹿沼市かぬましと真岡市もおかしと県内に2つあるということです。

出典:農林水産省『令和5年度 栃木県の農林水産省の概要』3頁

< 茨城県 > 広大な農耕地から生まれる特産物

霞ヶ浦

 つづいては茨城県です。茨城と食、というと水戸納豆はベタすぎるくらいベタですが、そこに使う大豆は2021年の都道府県別ランキングでは14位。上位ではありますがベストテンには入っていません。

出典:農林水産省『令和5年度 茨城県の農林水産省の概要』3頁

 ただし、耕地面積が全国3位と農業県であることに変わりはありません。茨城県の農産物ランキングを見ていくと、1位になっているのはミズナ・チンゲンサイ・ピーマン・コマツナといった常備菜が多数林立しています。

 その他の1位は冒頭でも紹介した土浦市のレンコン、鉾田市や茨城町のメロン、笠間市のうち特に元の岩間町に当たるエリアで栽培が盛んなクリなど、こちらも地域性がハッキリ分かるものが多数見られました。

筆者が選ぶ!北関東オススメ定食屋さん

 …と、いうわけで食の宝庫で培われた食文化の賜物ときたら、ご賞味いただかねば始まりません。前置きが長くなってしまいましたが、本題の筆者が選ぶ北関東オススメの定食屋さんの紹介に移りましょう。

 タイトル「北関東」なのに群馬がない?うん…まあ…ストックしてた写真なかったのでサーセン(← 

 …桐生や伊勢崎あたりならちょくちょく行ってたのですが地元の定食屋さんに寄ってないようですね…(そこじゃない)

①【茨城】下館・むさしや食堂

 まず一軒目。茨城県西部の下館は毎年来場者数20万人近くを記録する「下館祇園祭」や、電車・気動車・蒸気機関車の全てが揃うターミナル駅の下館駅で知られますが、そちらにございます「むさしや食堂」さんです。創業からおよそ100年を迎えた老舗中の老舗です。

 筆者が一番好きなメニューはカツ定食。こちらはそのリーズナブルさにもかかわらずボリューミーですがサラダも多目の嬉しい一品です。ちなみにかつては「関東の大阪」という称号でも知られ、「商都下館」なるフレーズもございました。その忙しい商店主たちの要望に応え、出前文化が発達したというのも特筆性に値するところかもしれません。そして、筆者のもう一つのオススメは隠しメニューの##機密情報のため削除##です。

 …おっとこんな平日に誰だろう…

むさしや食堂 / カツ定食

むさしや食堂
〒308-0021 茨城県筑西市甲5
(下館・大町一丁目)
0296223470
営業時間 11-14時 / 17-19時 木曜日定休

Google Map – むさしや食堂

②【栃木】栃木・長栄軒

 「鯉のいる街蔵の街」のフレーズでもおなじみ・栃木市。ちなみに栃木県内で「栃木」というとこちら栃木市の意味になることが多いので文脈の行き違いに気をつけましょう。

 栃木オススメの定食屋さんはこちら、長栄軒さん。中の人おすすめメニューはこちらのマーボーランチ。そのままでも割とガッツリ目のマーボーですが、なんと追いスパイスができるように小皿にもスパイスが!夏バテ気味な時に内側から整えるのもいいかもしれません…!

長栄軒 / マーボーランチ

長栄軒(ちょうえいけん)
〒328-0045 栃木県栃木市湊町13−16
0282221114
営業時間 11-13時半 / 17-19時半 月曜日定休

Google Map – 長栄軒

③【栃木】烏山・富士食堂

 栃木県の項でもお伝えした八溝山地の中ほどにある街・烏山。こちらの街なかにあるのが今回ご紹介する富士食堂です。中の人は鶏唐揚ライスをオーダー。なんとこちらの鶏唐揚ライスはお肉が胸肉ともも肉から選べるというこだわりよう。

富士食堂 – 鶏唐揚ライス (もも)

富士食堂(ふじしょくどう)
〒321-0628 栃木県那須烏山市金井2丁目12−13
0287823543
営業時間 11-14時 / 17-19時 木曜日定休

Google Map – 富士食堂

④【栃木】鹿沼・喜楽食堂

 さて、続いては栃木県でも日光連山の南に位置する鹿沼の食堂を紹介します。鹿沼は日光東照宮などの寺社建築に携わった木工職人たちにルーツを持つ文化や工芸品が今でも存在し、その中でも組子(くみこ:木を組んで作った細工物)は現在でも特産品の一つです。

 その鹿沼の街なかにあるのが喜楽食堂。こちらの上ランチをオーダーしました。これだけのボリュームにも関わらず1000円でおつりが来ます。しかも、食後に珈琲もついてくるのが嬉しいですね…!

 ちなみに鹿沼は職人の街であることから出前が発達し、各定食屋さんも出前を受け付けているところが多いそうです。その意味では下館と少し似ていますね。

喜楽食堂 / 上ランチ

喜楽食堂(きらくしょくどう)
〒322-0067 栃木県鹿沼市天神町1706
0289625353
営業時間 11半-14時 / 17-18時半 不定休

Google Map – 喜楽食堂

⑤【茨城】下妻・ペンヤ食堂

 「下妻物語」でその名前が一躍有名になりました下妻ですが、こちらも法務局や高校が複数あるなど街としての集積がみられます。その下妻の街なかにあるのがペンヤ食堂さん。一風変わった名前ですが、元々はなんと万年筆屋さんで本当に「ペン屋」さんだったそうです。

 こちらではラーメン半チャーハンセットを注文。個人的にはチャーシューの食感が好みでした。

ペンヤ食堂 / ラーメン半チャーハンセット

ペンヤ食堂
〒304-0068 茨城県下妻市下妻丁114−2
0296442808
営業時間 11半-18時 火曜日定休

Google Map – ペンヤ食堂

定食屋、それは「地域文化の結実」

 ここまでで、北関東の食文化の基礎となる農産物の概要と、筆者オススメの定食屋さんをご紹介いたしました。

 農産物から地域を見てみること、そして定食屋さんそれぞれのメニューや立地している街の文化や歴史に立脚しているものも多く、その意味ではタイトルの通り、定食屋さんとは「地域文化の結実」と言えなくもないかもしれません。

 なにかと「個人店には入りづらい」「一見さんお断りではないだろうか」などのイメージも付きまといますが、これを機に皆さんも地元の定食屋さんを開拓してみてはいかがでしょうか。