BIツールで市場データ活用してます!
こんにちは。データソリューション課のHです。
今回は「BIツール」×「市場データ」について、活用方法や扱う過程での難しさなどご紹介いたします。
どのように活用しているかは、弊社の事例と合わせてご紹介いたします。このブログを読み終わる頃には、「市場データ」の活用イメージが少しでも膨らんでいただけると嬉しいです。
そもそも「市場データ」とは?
市場データとは特定の市場や業界に関するデータを指します。
ある地域や観光地の人の流れ、商品の価格設定や市場でのシェア率などがその一例です。市場データは大きく3つの種類に分けることができます。
▼ 一次データ
一次データとは、自社で収集したデータを指します。
例えば自社の会員データやサイトデータを利用したアクセス履歴やアンケート調査が一次データにあたります。
▼ 二次データ
二次データとは、公に公開されているデータを指します。例えば官公庁などの統計データ(日本の人口、完全失業率)などが二次データにあたります。二次データは一次データと併せて利用されることがあります。
例)ビール会社のビール売上個数 等
▼ 三次データ
三次データとは、専門業者が複数や大量のデータを分かりやすいように加工した後に提供しているデータを指します。「サードパーティーデータ」とも呼ばれています。
自社データの一次データ、公開されている二次データと併用することで自社だけでは判断がつかなかったデータをより正確性の高いデータにすることができます。
昨今、ビジネス戦略を成功させる為にはこれらの市場データを利用することが必要不可欠と言われております。また、ビジネス戦略や課題に合わせて取得したデータをどう分析するかもデータ収集以上に重要とされています。
>> BIツールとは??
BIツールとは「ビジネスインテリジェンス」ツールの略称です。日本語訳すると「ビジネスの意思決定に関わる情報」という意味になります。
企業に蓄積した大量データ(顧客・売上・人の移動パターン等のデータ)を集めて「見える化」「分析」し、意思決定を迅速に助けてくれるツールのひとつです。
詳細に関しては、こちらのブログをご確認ください。
BIツールとは?業務での活用例などもご紹介
「BIツール」×「市場データ」の活用実例
市場データ活用について、弊社ブルームテクノロジーで実際に相談いただいた事例に沿いながら、BIツールでの活用例をご紹介いたします。詳細は以下となります。(※一部抜粋です。)
ー ご相談内容 ー
あるサイトページへのアクセス数を増やす為、メインターゲットとなる20代女性へ街頭にてノベルティ配布を行いたい。広告予算にも限りがある為、データに基づいた適格な配布エリアの選定を行いたい
ー 使用データ・BIツール ー
- 人流データ(※GPSを元にした駅周辺の人数データ)
- 気象データ
- tableau(BIツール)
ー 提案事項 ー
ノベルティ配布の候補となる「主要駅周辺の人流」データと「降水量(気象条件)」データを掛け合わせた「人流データレポート」を構築。「曜日別」「時間帯別」「性別・年代別」などにグラフを細分化。
誰が見ても見やすいように難しいグラフ表現は避け、直感的に意識決定ができるように注意
ー 分析結果 ー
感覚として「平日<休日」であったが、データより平日のほうが人流が多い傾向であることがわかります。
また、雨の日が人流数に影響があるかどうかの分析についてですが、結果的には「降水量:増加」「日別の人口データ数:微弱」という結果となり、このデータから「雨の日だからといって、人流数が大きく減少するということはない」といった見解が出せます。
※「曜日別×年代別」などの組み合わせでデータを見てみても面白い結果が出そうですね。
市場データ×BIツール活用の利点とは?
実際にBIツールを使用した市場データ分析をしてみると、いくつかの利点がみえてきました。
自社データだけでは導き出せない見解出し
自社では持っていなかった地域データや気象データを使用することで、より深いデータ分析による見解出しができます。それにより、今まで気づくことのできなかった新たな課題点も見つけることができます。
「新たなデータを使っているのだからそりゃそうだろ」と突っ込まれそうですが、社内データだけでどういった分析ができるだろうと変な境界線を勝手に作ってしまい、知らぬ間に視野が狭くなってしまうことが気づかないうちにあったりします。
API連携による自動データ取得
定期的なデータ分析には、日々のデータ更新や可視化(ビジュアライズ)の手間が伴います。そういった点にて、BIツールはAPI*連携などにも長けているので、手間となる作業の簡略化が可能です。
>> APIとは??
異なるプログラムやサービスが互いに通信してデータを交換する仕組みのこと。異なるアプリケーションがスムーズに協力し合い、ユーザーにとって便利で効率的な体験を生み出すことができる
市場データ×BIツール活用の難しさ
様々なデータを抽出し掛け合わせることで、今までに気づかなかったことも分析することが可能です。分析した内容を利用して、効率よくプロモーション活動に利用したりアクセスの向上にもつなげることができます。
しかしその一方で、市場データとBIツールの活用には難しい点も多々あります。
適正データかどうか
市場データは複数の大量データを取り扱います。複数データを取り扱うので「そのデータが正しいデータなのか?」「正しい場所からデータを取得しているか?」などを確認する必要があります。
出典元が適正かの確認も必要ですが、実際にデータを掛け合わせていく過程にてデータが多ければ多いほど、検算の回数が増えるため、集中力と計算力が必要になります。
せっかく抽出できたデータでも、正しくないデータの提供はなんの意味もなくなってしまいます。それだけでなく、データが正しくない=信頼を失うきっかけにもなってしまいますので、非常に注意が必要です。
BIツールの操作
複数のデータを組み合わせたり、取得したデータをグラフ化したりするなど、BIツールは多機能です。
複数データを合致させたり、取得したデータをグラフ化したりできるツールということもあり、操作するにはある程度の知識や経験が必要です。
取得したデータのグラフ化、データ同士を結合する際に利用する計算フィールドでの関数利用など、BIツールには多くの機能が存在します。
全ての機能を網羅することは、非常に時間がかかるので分からない場合は都度、調べていく必要があります。調査と根気が必要となります。
ビジュアライゼーション
データが無事取得でき、BIツールの操作も慣れてきたからといって、必然的に良い分析レポートが出来上がるとは限りません。最終的に重要となるのが「ビジュアライゼーション」、すなわち「レポートのデザイン(見せ方)」です。
作成した分析レポートを利用する方の立場や使い方にあった「ビジュアライゼーション(視覚的な表現)」が必須となり、それには都度の改良を求められることが多々あります。
段階を重ね良いものにしていく難しさがありますが、逆にここが分析業務での楽しさでもあります。
BIツールでの市場データ活用の未来について
現代のビジネス環境において、市場データとBIツールの組み合わせは、企業が直面する複雑な課題を解決し、戦略的な意思決定を行う上で不可欠な要素となっています。
市場データは、消費者の嗜好、競合他社の動向、市場の変動など、幅広い情報を提供します。一方、BIツールはこの膨大なデータを「見える化」し、分析しやすくすることで、データドリブンな意思決定を実現します。
近い将来、市場データの収集と分析はさらに進化し、リアルタイムでの分析予測が一般的になる日がくるでしょう。
これにより一人ひとりの趣味・嗜好にあったマーケティング戦略を立てることが可能となり、顧客満足度の向上やブランドロイヤリティの強化につながります。この結果、企業側はより効果的な顧客関係を築き、長期的な成功に確実に近づくことになると言えるでしょう。