FF7で画像生成AIの今を考察する!
どうも、MR課のスタッフIです。
今話題の生成AIですが、文章生成や画像生成、最近ではついに動画生成まで出来るようになってきました。
すごい時代ですねー。
ということで、今回は画像生成AIでどのような画像が生成できるのか、生成AIのサービスによってどのくらい違いがあるのかを調査していきたいと思います。
今話題のFF7のキャラクターを使ってね。
生成AIの著作権問題
調査を始める前に、まずは生成AIで議論されることが多い著作権についてお話していきたいと思います。
以下の文化庁の資料によると、生成AIの著作権は主に「AI開発・学習段階」と「生成・利用段階」に分けられるようです。
資料:「AIと著作権」文化庁著作権課
「AI開発・学習段階」の著作権
この段階の著作権について要約すると、以下のような内容となります。
「データを学習させるのは構わないけど、著作権者の利益を害する場合はダメ。もし該当する場合は著作権者の許可をとってから学習させてください。」
この内容を踏まえると、利益を害するか否かが争点となるようです。
「生成・利用段階」の著作権
この段階の著作権について要約すると、以下のような内容となります。
「基本的にAIを用いていない作品などと同様で、他人の著作物と同一または類似していたり、あきらかに作品を参考にして作成している場合、私的に利用するのはいいけど、販売等を行う場合は許可が必要。」
上記の内容を踏まえると、生成AIの学習データは著作権侵害に当たる可能性はないかということをしっかりと考えた上で実装する必要があります。
今回調査する画像生成AIの状況はどうなっているか気になるところですね。
生成した画像の評価
今回利用する生成AIが、データの許諾を経て実装しているのかわからないので、今回は「キャラクターの類似性」の視点のみで評価をしていきます。
個人の独断と偏見なのでご了承ください。
使用する生成AI
今回は以下の生成AIを使用します。
MyEditは画像生成だけではなく、AI技術を活用した画像の編集なども可能なサービスです。
PCやスマホから簡単に使えるので便利です。
Bing Image Creator(ビングイメージクリエイター)
Bing Image CreatorはMicrosoftが提供している生成AIです。Microsoftが提供しているブラウザ「Bing」から活用できます。
IT大手の提供している生成AIというだけあって、膨大な学習データを実装しているようです。
Adobe FireflyはPhotoshopやIllustratorで有名なAdobeが提供しているサービスです。
クオリティの高さと著作権に配慮した仕様が特徴です。
ちなみにAdobe Fireflyで生成した画像にはロゴが付きます。
簡単にFINAL FANTASY VIIの説明
FINAL FANTASY VII(ファイナルファンタジー7※以降FF7)は、スクウェア(現在スクウェア・エニックス)が開発し、1997年に初代プレイステーションで発売されたゲームソフトです。
その後も様々なプラットフォームで販売され、全世界累計本数は1000万本以上と言われています。
現在はフルリメイク版として3部構成の作品を予定しており、既に1部作目の「FINAL FANTASY VII リメイク」、そして2024年2月に「FINAL FANTASY VII リバース」が発売されています。
画像生成で指定するキャラクター
今回はFF7でも有名なこちらのキャラクターを使用します。
クラウド(Cloud Strife)
セフィロス(Sephiroth)
エアリス(Aerith)
画像生成AIでFF7のキャラクターを生成してみよう企画!
では、画像生成AIを使ってFF7のキャラクターを生成してみようと思います。
さて、どうなることやら。。。
MyEdit版:クラウド
類似度:★★★☆☆
髪型&服装の雰囲気もかなり近いです!ホンモノよりもダンディーさが出てますね。
クラウドという名前からか、背景には雲があるイメージになっているようです。
ダンディーさと、ひげ生えてるので★3つ!
Bing Image Creator版:クラウド
類似度:★★★★★
おぉ~~~~!!!!
もはやこれはクラウドではないですか!
髪型・武器・表情・腕の筋肉まで、かなりそっくりです!
Bing Image Creatorの精度の高さがわかりますね〜。
ただ、これだけ似てるということはFF7のクラウドの画像データをたくさん学習しているわけで。
逆に精度が高すぎて著作権が心配です。。
でもキャラクターの類似度は高いので★5つ!!
Adobe Firefly版:クラウド
類似度:★☆☆☆☆
AdobeのAIはファイナルファンタジーのクラウド=ファンタジーなクラウド(雲)と認識したようです。
全くFF7のクラウドではないですが、著作権を侵害するようなデータをAIに与えていないということがよく分かる画像だと思います。
これはこれでとても興味深い。。。でもFF7のクラウドではないの★1つ!
MyEdit版:セフィロス
類似度:★★★☆☆
髪型&服装はかなりいいとこまできてます!
ただ、なぜかこちらもちょっとダンディー&胸筋は割れすぎですw
MyEditのキャラはダンディー寄りなのかな。。。
雰囲気でセフィロスとわかるけど、何かが違うような・・・なので★3つ!
Bing Image Creator版:セフィロス
類似度:★★★★☆
髪型・服装・表情、そしてこの禍々しさと迫力。。。これはほぼセフィロスです!
「FINAL FANTASY VII Sephiroth」と入力して、この禍々しいイメージを作ってくれる辺り、さすがBing Image Creatorといったところです。
持っている剣が違うので★4つ!
Adobe Firefly版:セフィロス
類似度:★☆☆☆☆
Adobe Fireflyはクラウド同様にキャラクター自体が生成されないという感じです。
セフィロスのキーワードがどのように表現されているかはわかりませんが、全体的にファンタジー感はでているような。。。
キャラクターが生成されていないので、★1つ!
でも著作権を重視している点は高評価ですb
MyEdit版:エアリス
類似度:★★★☆☆
髪型、悲しげな表情、手に持っている黄色の花など全体的にエアリス?な雰囲気はありますね。ただ、何かが違うという感覚が残る点で★3つ!
Bing Image Creator版:エアリス
類似度:★★★☆☆
おぉーさすがBing!リボンや手のひらの白マテリアなど、細かい点で再現度が高い結果となりました。ただ、ファンシー感強めなのと、胸が盛られている点が気になります。
ということで、★3つ!
Adobe Firefly版:エアリス
類似度:★☆☆☆☆
Adobeはクラウド、セフィロスともにキャラクターすら生成されませんでしたが、今回はキャラクター生成してくれました。入力した情報から女性ということを理解してはいるようです。
ただ、全然違うので★1つ。
こちらも著作権を重視している点は高評価です!
調査結果
今回画像生成AIを使ってゲームキャラクターを生成してみましたが、各社で生成AIの仕様に大きな違いが見られました。
特にAdobe Fireflyは著作権があるデータについて、かなり慎重に扱っているような印象を受けました。生成する側としてはBingのようにキャラクターに近い画像が欲しいところですが、著作権においては心配になるところもありそうです。
しかも現時点で上記のようなクオリティなので、数年経てばほぼ元のキャラクターと同じような画像を生成できるかもしれません。
知的財産を持つ会社は、今後どのように生成AIと付き合っていくのか。まだまだ議論は続きそうです。