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マーケティングに活かせる「行動経済学」のススメ

マーケティングに活かせる「行動経済学」のススメ

こんにちは。MA課マーケティング担当のKです。
今回は「行動経済学」をテーマに、日々の業務やマーケティング思考に対してどのような好影響を及ぼすのか、逆にどう注意していくべきか、などについてまとめてみました。

◆「行動経済学」とはいったい何か

「行動経済学」とは、心理学と経済学を掛け合わせた学問です。

この行動経済学をマーケター視点で考察してみると、言語化することが難しい「マーケティングの考え方」のヒントとなる部分が多々あります。マーケティングの知見を有しない人に対しても、マーケティング理解の一助になりイメージし易くする考え方に近しいものが行動経済学でもあります。

行動経済学は簡潔にまとめると下記3つの構成要素から成り立っています。

①. フレーム
・ビジネスとユーザーを繋ぐ考え方
・認知と行動の関係性

②. バイアス
・ヒトとの関係性
・物理的な関係性
・社会との関係性
・感情との関係性

③. ナッジ
・背中を押す仕組み
・思考への影響
・行動への影響

マーケティングでも似たような内容を取り上げるとこが多いですが、これらを体系的にまとめかつ、理解しやすい仕組みへと昇華しているのが「行動経済学」といえます。

いかがでしょう、興味を持っていただけましたでしょうか?

なぜ「行動経済学」が注目されるのか?

ノーベル賞には「経済学」の部門がありますが、マーケティングというものは新しい分野であり、そのような部門は存在しません。それどころか、マーケティング関連の学問は「学問」ではなく「経済学」の一部というのが通説とされてきました。

ところが、近年の社会は「不確実性の社会」といわれるように、「A=B」という法則性が成り立たない個々人にカスタマイズされた情報や消費が行き交う社会へと変貌してきました。

これまで「経済学」で述べられた「法則が作用する」という考え方が通用しない世界となり、必然的にユーザーの心理や感情を組み込みかつユーザーの視点に立った「行動経済学」という新分野の学問が俄かに経済学者の間でも議論されるようになり注目を集め始めました。

つまり「ユーザー」を「心理や感情に左右さる人間」として捉えて考えるという時代になった訳です。

◆「行動経済学」を学ぶ利点

「ユーザー視点に立ったクリエイティブなアイデアや企画を生み出す源泉となる」というのが最大の利点です。

逆に、行動経済学の観点が欠落してしまうと、「ユーザー視点」と声高に唱えながらも、それが全く機能していない商品やサービスが生まれてしまう恐れがあります。

そういった事態を避けるためにも、改めて行動経済学の利点に注目していただきたいです。

【利点1】感覚を論理的に伝える
・ビジネスだと二の次にされる感情や心理を数値と同じくらい重視して思考する
・感情と心理が結果に与える影響について明確なビジョンとして伝えられる 

【利点2】理論を実践しやすい
・心理学の類とことなりユーザー視点なので現実的な動きになる
・経済学の側面も強いので購買データと実践結果を比較検討できる

【利点3】完璧を突き崩せる
・ビジネスに捕らわれユーザーが蔑ろにされる施策が出にくい
・ユーザーに対する偏見(数値)を緩和することができる

上記に記載しているように、これまで「数値」一辺倒で考えてきた施策やイメージというものに「魂」を吹き込みことができるということです。即ち、数字としてでは無く「人」というものが介在しているというリアルに近い考え方が出来るようになるわけです。

「行動経済学」が生み出す効果とは?

最大のメリットは、自分の考え方に柔軟さが生まれるという点にあると言えるでしょう。

「数値に一辺倒で事例を重視する」という、これまで正攻法と見做されてきた方法は間違いではありませんが「不確実性の社会」と言われる「パーソナライズ化された世界」では通用し辛くなってきています。そいした社会において、行動経済学は活きた情報・思考として機能します。

最初に述べたように共通言語化が難しい領域ではありますが、知見を有していない人に対しても直感的に分かるという、マーケターにとって至上命題ともいえる問題に対して現行最も有効な答えとして機能しています。

以上の2点だけとっても、勉強してみる価値は十分といえるでしょう。

◆「行動経済学」の注意点

一見すると万能に思える「行動経済学」ではありますが、ユーザー視点に立った考え方を行う以上、使い方次第では「悪意の誘導」や「思考のドツボ」にはまってしまう可能性があります。

人の思考と行動に結びつける方法をセットで考え実施することが多いので、行動経済学をある程度習得することが出来れば提案も通りやすくかつ効果に結びつけるということ自体は難しくはないかと思います。

しかしながら、ユーザー相手に使いすぎ度を超してしまうと商材の信用度を落としかねない事態となりますので悪用は厳禁です。知識偏重となり、行動経済学における「バイアス」や「ナッジ」を信奉しすぎると、せっかくの柔軟性を失う結果に繋がります。あくまでも知識は知識ということを忘れずに、自分の言葉や施策に落とし込むという意識を常に持ち続ける必要があります。

便利でかつ結果に結びつけ易くはありますが過信は禁物です。

<< まとめ >>

概要レベルではありますが「行動経済学」の利点と欠点についてまとめてみました。

弊社では「心理学概論」として「バイアス」をマーケティング教育のひとつとして実施していましたが、より「ユーザーの思考」に立ったデータ分析や施策立案ができるようにと考え「行動経済学」への切り替えを進めています。もちろん「知識」として終わるのではなく「実務」に活かせるスキル習得を目的として進めており、今後のより一層必要とされていくものだと考えています。

今後のスキルアップや成長で悩まれている方など、是非「ブルームテクノロジー」で一花咲かせてみませんか。エントリーお待ちしております!